「やってはいけない歯科治療」
について、この記事を読まれた方に解説させて頂きます。
以前このサイトでコメントさせて頂いた「週刊ダイヤモンドの歯医者の裏側を読んで注意喚起致します。」の時と同じように、これは年に何回かある新聞や雑誌による歯科医院叩き。
キャッチ―な記事で購買を煽る記事で、もっと言えば歯科関係者の「気になって買ってしまう」のを狙っているというのもある。
この記事は10ページとたいそうな記事となっているので、今回は内容に合わせてPart1~Part4に分けて解説させて頂きます。
まずはPart1
雑誌タイトル:「-コンビニよりも多くなった歯科医院の過当競争-虫歯を取り残して儲けるうんぬん~」
解説:まず初めにコンビニより多くなったとあるが、コンビニが日本に入って来てからずっと歯科医院の方が多い。
そもそもコンビニと歯科医院では一店舗当たりの必要人口が違う。
歯科医院の方がコンビニよりも必要人口が少ないためコンビニよりも数が多いのは当然である。
雑誌記事:「ちゃんと治すと上司が怒る」
解説:千葉県でご開業の歯科医師の言葉だが、多くの歯科医師に聞いてもそんな歯科医院は聞いた事がない。
よほど、悪いほうに稀な歯科医院で勤務されたいたのではないかと思われる。
しかし、それが全てであるかのように内容で触れているがそれは全く違う。
まぁ、良い事書いても記事にはなりませんので仕方のない事でしょう。
雑誌記事:「齲蝕検知液」を使っていない歯科医師がいた。
解説:齲蝕検知液というのは虫歯を染め出す液体だが、メーカーの違いによって虫歯の染まり具合は変わるし、液体を作用させる量や時間によって
も染まり具合は変わってしまう。
補助的な使用としてはある程度有効だが、完全にこれのみを信用しすぎて歯科医師の視診や切削感などを重要視しないと、実は削らなくても残せる歯質を逆に削り過ぎてしまう事がある。
また、この歯科医師以外の20人の勤務歯科医師が齲蝕検知液を使用していなかったのは、その歯科医師よりも経験的に虫歯と健康歯質の境目を知っていたからで、当時駆け出しのこの先生は経験が少なすぎるためにこの液に全幅の信頼を寄せるしかなかったのである。
すなわち、他の歯科医師よりもこの先生の方が削り過ぎていた可能性が高い。
決して他の先生が「わざと取り残していた」のではなく、神経を温存する可能性を求めて出来るだけ削り過ぎないように努めていたのではないだろうか?
雑誌記事:日本の保険診療は「出来高払い」
解説:これは実に馬鹿らしい表現です。
どんな仕事も「出来高」に決まっているでしょう。
「お仕事をして決まった料金を頂く」これ当たり前でしょう。
『年棒制』の給料は聞いた事あるが、『年棒制』の仕事なんて聞いた事ない((笑))
その後に、自分のお給料のお話しに繋げているが、保険診療出来高払いと給料体型は全くの別物の話です。
話のすり替え甚だしい。
雑誌記事:「僕の年収は2200万円くらいだった」
解説:これはかなり恐ろしい数字です。
これをこの先生が当時「安価な保険診療」メインで行っていたとするならば、その当時の患者がかなり心配になります。
相当数の歯を削って削ってしていたのではないだろうか?
「上司に言われたから」と書いてあるが、「あいつを殴ってこい」と言われたら殴ってしまうのだろうか?
実際に削ったのはこの歯科医師本人に他ならない訳だし、もしこの歯科医師が本当にこれがいけない事なのだと思っていたならば、その職場はすぐに辞めていれば良いだけの話。
また、今になって武勇伝の様に「年収2200万円だった」なんて、言ってる事自体が信じられません。
実際にそう言う治療をやってしまっていたのですからね、人間の本質はなかなか変えられませんから。
雑誌記事:繁盛している歯科医院はいい加減
解説:これは非常に歯科医師を馬鹿にした発言であり、さらには患者自体もバカにした発言である。
繁盛している歯科医院の先生はほとんどと言って良い程、多くの勉強をしプライドを持って診療している。
一生懸命やらなければ「人気歯科医院」になどなりようがない、それはどんな仕事でも同じでしょう?
そして選ぶのは患者であるため、何らかの良さを感じてそこの歯科医院を評価して自分の足で通っている訳であるのに、それを否定するとはよほど底意地が悪い人間性の持ち主か、個人的な妬みなのか?
今歯科治療に通われている患者の皆さんは安心して下さい。
選ぶのはあなたです。
雑誌記事:保険診療をやめて自費診療にした。
解説:これははっきり言って自由でしょう。
しかし、保険診療を否定してはいけません。
一番の「悪」は治療が受けられない事です。
日本は発展途上国やアメリカの様にお金を持った一部の人しか医療が受けられないと言う国ではありません。
これはとても素晴らしい事なのです。
もし日本に保険制度がなければ治療自体を受けられない国民が山ほどいるでしょう。
幅広く全ての日本国民に最低限の医療が行われるための制度、これを無視して保険診療をやめるなど逆に相当お金が欲しいのかと感じてしまいます。
「医療」と「国の制度」とは密着に関係しており、医師や歯科医師は日本国で免許を得たからには、全ての国民に幅広く医療を提供する事を忘れてはならないのです。
決して≪自費診療のお金を支払える患者だけ≫を選ぶというのは、日本国の医療の考え方としてはいけないのです。
少し嫌味な事を言わしてもらうと、その様な保険診療否定派の先生は自分が病院にかかる時は確実に保険証を持って、きっちり保険診療を受けているというのは矛盾ではないだろうか?
以上が週刊ポストでの歯科医院バッシングの記事に対する解説Part1です。
次回はPart2です。
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