昔は"こんな色の歯磨き粉が出ました〜"の様に、商品そのものの宣伝ばかりで、歯や歯茎に対する情報は非常に薄かった。
しかし近頃は『歯周ポケット』とか『予防歯科』とか、かなり専門的な用語が増えて一般の人達にも通じる言葉になっている用語も多い。
その中でも今回は『予防歯科』について「予防は大切!しかしちゃんとピントが合っているのか?」の様な裏話をしてみたいと思う。
そもそも予防歯科と言う診療科目はない。
何故なら治療ではないからだ。
あくまで虫歯や歯周病にならないための「予防」。
もちろんなってからでは遅いので、早めに対策をうつと言うのは当たり前の考え方であるが、ではどんな事をするのか?
大きく簡単に言ってしまえば、「歯のクリーニング」と「歯を磨く様に指導する事」である。(虫歯のなりやすさの検査などもあるが、それらも指導する際の指標)
通常、歯科医師もしくは歯科衛生士が定期的に検診に来る患者に対して、歯石や歯垢の除去をして「ここに着いてますよ〜」と呼びかけて、丁寧な歯磨きを促す。
ではそれだけで、虫歯や歯周病にならないのか?
答えは“NO”である。
仮に半年に一度【予防歯科】として定期検診に行っていたとする。
そこで、チェックを受けてクリーニングを受けたとしても、半年がおよそ180日だとすれば、残りの179日間ちゃんと磨けていなかったらアウトである。
虫歯や歯周病になってしまう。
要は一番大切なのは自分自身で歯を磨いて、『ケア』する事が最も重要なのであり、歯科医院に通院する事ではない。
ただし、自分でちゃんと磨けているかどうかを判断するのは難しい。
そのために、歯科医院へ行って「口腔衛生指導」をして貰う訳で、予防歯科の最重要ポイントは患者に磨かせる動機付けを行うことである。
しかしながら、歯科衛生士が主体となった予防歯科には「PMTC (Professional Mechanical Tooth Cleaning : プロによる機械的な歯面清掃 ) 」と言う実技ばかりに目を奪われて、患者自身が本当に歯を磨く気になる様な“心のこもった指導”が行われていない場合がある。
その結果、その時はピカピカになっても次に来る時はものすごい汚れており、虫歯や歯周病になるリスクも異常に高まっている。
そんな患者に対して、「あの患者さんは磨かない」と、言っている歯科医師や歯科衛生士も少なくないと言う。
…先にも述べた様に予防歯科の最重要ポイントは「歯磨きをする動機付けとなる指導」である。
ただ歯石を取る事ではない。
すなわち、予防歯科と名を打っているからには患者が歯を磨かないのは、そこの歯科医院に原因があると言っても過言ではない。
予防歯科と大々的に言わない歯科医院でも、口腔衛生指導は当たり前の様に行われているし、それらの歯科医師の意見では改めて言う程の事ではないと言う。
『予防歯科』を歯科医院経営の一つの宣伝として使用しているのではないか?と言う歯科医師もいるくらいだ。
とは言え、検診に行っている人とそうでない人では現状の悪化する度合いは全く違うため、定期的な検診は必要な事であるが、その予防歯科を前面に押し出している歯科医院には、ただその場で検査して専門的に歯石を取るだけでなく、その患者自身の人生の中に《歯科》を組み込むくらいの覚悟を持って取り組んで欲しい。
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